人材の価値を最大に引き出す「人的資本経営」
企業経営において人的資本への関心が高まっています。
人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。(経済産業省)
グローバル化、デジタル化、少子高齢化/人生100年時代、そして新型コロナウイルス感染症への対応等の経営課題と人材戦略上の課題は直結しています。
こうした課題に対応するために、これまでの成功体験に囚われることなく、企業の人的資本マネジメントのあり方、企業と個人の関係について、変化に応じてモデルチェンジを行い、次の6つの人材戦略に変革させる必要に迫られています。
- 人材マネジメントの目的:『人的資源・管理』 から 『人的資本・価値創造』 へ
- アクション:『人事』 から 『人材戦略』 へ
- イニシアティブ:『人事部』 から 『経営陣・取締役会』 へ
- ベクトル・方向性:『内向き』 から 『積極対話』 へ
- 個と組織の関係性:『相互依存』 から 『個の自律・活性化』 へ
- 雇用コミュニティ:『囲い込み型』 から 『選び・選ばれる関係』 へ
人材戦略に求められる3つの視点と5つの共通要素
経済産業省の「人材版伊藤版レポート」では、人材戦略に求められる3つの視点・5つの共通要素(3P・5Fモデル)を示し、「経営戦略上重要な人材アジェンダについて、経営戦略とのつながりを意識しながら、具体的な戦略・アクション・KPIを考えることが有効である。」と述べられています。
3つの視点
- 視点1 経営戦略と人材戦略の連動
- 視点2 As is -To be ギャップの定量把握
- 視点3 企業文化への定着
5つの共通要素
- 要素1 動的な人材ポートフォリオ
- 要素2 知・経験のダイバーシティ&インクルージョン
- 要素3 リスキル・学び直し
- 要素4 従業員エンゲージメント
- 要素5 時間や場所にとらわれない働き方
求められる人的資本の情報開示
人的資本への関心が高まると同時に求められているのが、情報開示です。
日本においては、2021年6月に施行された改訂版コーポレートガバナンス・コードで、人的資本の情報開示に関する項目が新たに追加されました。(東京証券取引所、2021)
さらに、国際規格の人的資本に関する情報開示ガイドライン(ISO30414)の認証も求められるようになりました。ISO30414では、人的資本に関して11領域と48項目を規定しています。11の領域は下記の通りです。
人的資本開示基準の 11カテゴリー(ISO30414)
- 倫理とコンプライアンス
- コスト
- ダイバーシティ
- リーダーシップ
- 組織風土
- 健康・安全・幸福
- 生産性
- 採用・異動・離職
- スキルと能力
- 後継者計画
- 労働力
出典:「Human resource management―Guidelines for internal and external human captaial reporting」
また、女性活躍推進法、労働施策総合推進法、育児介護休業法、次世代育成支援対策推進法等の労働諸法令でも雇用管理に関する情報の開示を求められるなど、人的資本の情報開示に関する動きが活発化しています。
投資家向けに開示される人的資本関連情報と法律で義務付けられた制度開示との整合的な方針・メッセージが期待されています。
人的資本経営に必要な取り組み
予測困難で非連続な変化が続く時代において、変化に柔軟に対応するためには、マネジメントの方向性も「管理」から「価値創造」へ変えなければなりません。
やるべきことは、人材を「人的資本」として捉えて、保有人材の「変化対応力」高め、その価値を最大限に引き出すことです。
一般社団法人未来のワークデザイン研究所では、次のプログラムで支援をしています。
人的資本の情報開示とダイバーシティ経営
人的資本の情報開示は、ダイバーシティ経営との整合性が必要です。優秀な人材確保のためには、上場していない企業でも採用に影響を与える重要な情報ですので、しっかりと対応する必要があります。
「企業から見た人的資本対応状況についてのヒアリングシート(経営層)」で、貴社の課題を把握し、解決策を提案させていただきます。
また、人的資本経営をスムーズに進めるためには、従業員のパフォーマンスを最大化させるためのタレントマネジメントが必要不可欠です。そのために、まずは人事情報を「見える化」しなければなりません。
人事情報のDX化推進もご提案させていただきます。
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